リンツの立体駐車場:Webnetによる緑のファサード
当初の状況とコンセプト:
リンツのヨハネス・ケプラー大学のキャンパスに新しく建てられた立体駐車場は、ウィーンの建築事務所「querkraft」の設計によるもので、6階建てに約550台の駐車スペースがあります。この立体駐車場は、「House of Schools」の建設によって失われた駐車場の代わりとなるものです。コンパクトな形と開放的なデザインの立体駐車場は、周囲の環境に調和しています。この建設プロジェクトは2024年に完了しました。
特徴は緑のファサードです:ステンレススチール製ネットのWebnetは、さまざまなつる植物用の構造物として機能します。植物が成長すれば、ファサードはあっという間に緑で覆われます。屋上にもさらに巻きひげ植物用構造物があり、緑の日陰棚になっています。
建築と実現:
ファサードの緑化の実現には、ステンレススチール製ネットのWebnetが使用されています。Jakob Rope Systemsは、メッシュ幅120mmのネットを全部で約2,800平方メートル、メッシュ幅40mmのネットを340平方メートル設置しました。ネットは直径2mmのステンレススチール製ワイヤで作られ、8mmのエッジワイヤで固定されています。
Webnet要素とワイヤの構造解析もJakob Rope Systemsが行いました。ステンレススチール製ネットは、緑化の際のトレリスとして、また転落防止装置としても機能します。特に難しかったのが最上階の日陰棚の仕上げで、Jakob Rope Systemsは、よじ登れないように、メッシュ幅を120mmから40mmへと(支持ワイヤや下部構造を追加せずに)スムーズに移行させました。
生い茂るフジが安定して絡まって行けるよう、建物の全高にわたってステンレススチール製ネットの前にポールを追加設置しました。他の軽いつる植物は、Webnetを利用して伸びていくので、ファサードが時間の経過とともに緑のベールへと変化していきます。
この立体駐車場は、モジュール式のスチール製スケルトン構造で、柔軟性と堅牢性を実現しています。開放的で緑豊かなファサードは、自然換気をもたらし、周囲の景観との持続可能な融合に貢献しています。雨水は沼地や土壌ろ過池に浸透し、水源保護地域の要件を満たしています。
Jakob製品とサービス:
Webnetとステンレススチール製ワイヤで作られた巻きひげ植物用構造物の専門的なプランニング、納入、設置
Webnet、メッシュサイズ 120 mm、直径 2 mm、総設置面積 2800 平方メートル
Webnet、メッシュサイズ 40 mm、直径 2 mm、総設置面積 340 平方メートル
エッジワイヤ、直径 8 mm、6x7+WC、合計 1600 m(エンド金具付き)
プロジェクトパートナー:
建築:querkraft Architekten
施主:JKU Betriebs- und Vermietungs- GmbH
建設会社:ARGE Habau / Swietelsky
プロジェクト実施:Bundesimmobiliengesellschaft (BIG)
金属建築:Oberhofer Stahlbau GmbH
エクステリアデザイン:Kieran Fraser Landscape Design
巻きひげ植物用構造物:Jakob Rope Systems / Seilerei Wüstner
写真:Hertha Hurnaus / querkraft Architekten