バーゼル(スイス), 2018

「ゾウ」のためのネット

メレト・オッペンハイム・タワー

Webnet Framesで作られた透明なバルコニーの手すり

バーゼルで見逃せない新建築があります。中央駅のすぐ裏にあるメレト・オッペンハイム・タワーです。Webnet Framesで作られたバルコニーの手すりは、壁面デザインの中心的な要素で、様々な透明度を持っています。スイスのシュルレアリズム芸術家メレト・オッペンハイムへのオマージュとして建てられたこのビルは、高さ85 mで周囲の建物から屹立しています。論争が過熱したのは、その高さと立方体を重ね合わせた建築のせいだけではありません。壁面のデザインも議論の対象になりました。タワーは、マンションのブランドの役割を果たす折りたたみ式アルミパネルで覆われているのです。シャッターがすべて閉じていると、ビルはダークグレーになり、「ゾウのようだ」と形容されました。しかし、ブラインドが開くと、明るい光の斑点がどっしりとして一様なグレーの壁面構造を破ります。

ヘルツォーク&ド・ムーロン建築事務所は透明度を変化させながら光と影が戯れるように設計しました。これが機能するためには、事実上半透明のバルコニーの手すりが不可欠で、同時に安全でもなければなりませんでした。そこで全25階のバルコニーとテラスが、アルミの壁面の裏に隠れたWebnet Framesによってしっかり守られました。

ヤコブ・ロープ・システムズのステンレススチールメッシュの視覚的効果はアルミパネルの外観と完璧にマッチしています。メッシュの半透明度が高いので、バルコニーが外壁の構造により深むを与え、タワーの一様な印象を減らします。住民にとっては、Webnet Framesは安全をもたらし、視界を遮られることなくバーゼルやその周辺を見晴らせるようになります。