Plage des Eaux-Vives、ジュネーブ(スイス), 2020

2軒の湖畔の建物を覆うステンレススチール製ネットとワイヤ

レマン湖のほとりにあるスチール建造物の面にはWebnetが張りめぐらされていて、特別な開放感があります。技術的に洗練されたスチール建築に、目立たない建物外壁と手すりの要素としてJakobのネットとワイヤが統合されています。

コンセプトと実現:

建築家のディディエ・ジョリメイとアンドレア・レベルが、レマン湖畔に2軒のスチール製杭上建築物を建てました。この建築はJakob Rope Systemsのステンレススチール製ワイヤとネットを利用して、大きな壁面に張りめぐらし、内部と外部を区切っています。スチール建築とワイヤとネット面の組み合わせにより、透明で光を通す建築スタイルが可能になりました。

第一の建物「漁業館」 (Bâtiment pêcheurs) は、ジュネーヴの漁師が仕事をできる場を創り出しています。この建物は1階建てで、庇が湖に向かって突き出ていて、外壁にはスチール構造物にネット要素(スリーブなしのWebnet)が統合されていて、覗き込むことができるようになっていながら、空間的には漁師の仕事の世界が湖岸の公共空間から分離されています。

第二のスチール建造物 (Bâtiment môle) は、大きく開放的なデザインの足場に作られたレストランです。この建物には、外壁要素として大きな壁面にわたってWebnetが使われているので、ネットが張りめぐらされた面が軽快で透過性を備えています。テラスに沿って設置されたワイヤも、同じ効果と機能を生み出し、湖水を非常に控えめに遮断しています。設計を手がけた二人にとっては、大きな壁面にわたり最大の透明性を得ることが、プランニング中の重要なディテールの一つでした。

そしてスチールとワイヤ・ネットの構造物がこの二つの建物をつなぐ建築要素になっています。遠くから見ると、建物が周囲の湖や岸辺の風景に溶け込んで調和しています。スチール構造物に近づくと、二つの建物とも中を覗き込むことができます。スチールの繊細なネットとワイヤが外と内の間を分け、植物がつたう風通しのよい建物の覆いとなり、湖への転落を防止する胸壁としての機能を果たしながら、驚くほど軽く、控えめです。

この両方の建築は、2020年にスイスの雑誌「Hochparterre 」から銀賞に選ばれました。

詳細と形状:

Bâtiment môle(レストラン):

  • スリーブなしのWebnet (20260-0150-080)、メッシュ幅 80 mm、ワイヤ 直径 1.5 mm、面積約162 m²
  • 緑化用ワイヤ:直径 4 mm (10820-0400)、長さ約215 m
  • 手すり用ワイヤ:直径 5 mm (10820-0500)、長さ約980 m

Bâtiment pêuchers (漁業館):

  • スリーブなしのWebnet (20260-0300-050)、メッシュ幅 50 mm、ワイヤ 直径 3 mm、面積約190 m²

Jakob製品とサービス:

  • ステンレススチール製ワイヤおよびWebnet要素の納入と組み立て
  • プレストレス力を決定するために事前に手すり用ワイヤ設置のための実用試験